資源を活用したい方へ

木質バイオマス熱利用は、製材用として利用できない低質材や端材、
枝条、バークなどを燃料として有効活用できるため、収入増や販路拡大が期待できます。

森林資源の活用の選択肢が増えることは、森林整備や林業活性化にも繋がります。

こんな方に読んでいただくことを想定しています
・木質系の廃棄物の使い道を探している方
・林地残材を活用したい方
・森林・林業・木材産業の関係者や地方公共団体の担当者

燃料材の需要は増加しています

原油価格の高騰や円安、国の環境・エネルギー政策等を背景として、各地で木質バイオマス利用が注目され、燃料材の需要は増加しています。

2022年には国内で生産される木材の約3割を燃料材が占めるまでになっており、今後さらなる需要の拡大が予想されます。

もし、森林資源を持て余しているとしたら、燃料材として有効活用することで収入増や販路拡大が期待できます。

木質バイオマス燃料に求められる品質

燃料材は、基本的にはチップ、ペレット、薪などの木質バイオマス燃料に加工して利用されています。

木質バイオマス燃料は、燃やして電気や熱としてエネルギー利用することを目的とするため、製材や合板等の需要に適さない低質材や、製材時・建築時に発生する端材や残材、木質系廃棄物等も利用できます。また、パルプ用と異なり樹皮を剥ぐ必要がないため、細い枝でも活用することができます。

木質バイオマス燃料として取引される場合に注目されるのは、水分や形状、灰分等です。水分率が低いほどエネルギー効率が良く、高値で取引される傾向にありますが、どのような木質バイオマス燃料が必要か、利用可能かはボイラーの性能等によって左右されるため、求められる品質は供給先によって異なります。また、その需要量も施設や季節によって変動します。

そのため、木質バイオマス燃料の生産を行うにあたっては、まず供給先の確保と連携が重要になります。

木質バイオマス熱利用設備は、温浴施設や福祉施設、農業施設を中心に、多くの施設で導入されています。なお、発電施設はより大規模となるため多くの木質バイオマス燃料を必要とする傾向にあります。また、このサイトでは燃料供給業者の一覧も掲載しています。

木質バイオマスの発生源

燃料材となる木質バイオマスの発生源には、主に、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの「林地残材」、製材工場などから発生する樹皮やのこ屑などの「製材工場等残材」のほか、住宅の解体材などの「建設発生木材」、街路樹の剪定枝や災害廃棄物などがあります。

このうち、製材工場等残材と建設発生木材はすでにそのほとんどが利用されています。

そのため、増加する木質バイオマスの需要に対応するには、利用拡大の余地がある林地残材の活用が不可欠です。
林地残材は伐採後も林内に放置されている木材を指しますが、使い道がないことや、搬出が困難な場所であることなどにより収集・運搬の採算が取れず林地残材となっているという背景があり、活用するためには燃料材として使い道を確保するだけでなく、効率的に収集する仕組みを導入する必要があります。

運搬コストを抑える工夫として、例えば、移動式チッパーを活用し、かさばる短尺材や末木枝条を山元や中間土場でチップにする、燃料利用を想定した造材や全木集材を行う、といった取組が実施されています。

木材生産の中では燃料材はあくまでも副産物となりますが、マテリアル用途の材のみを生産するのでは生産量が小さく採算性が低いと考えられる森林でも、燃料材の生産も含めて検討することで、路網整備や林業機械搬送といった固定経費の負担を軽減することができます。

木質バイオマス燃料の生産に興味がある方へ

木質バイオマス燃料の生産に取り組もうとすると、供給先の確保や販売価格の決定方法、原材料の水分調整、チッパーの選定・設置場所、原料や燃料の輸送方法など、多くの課題や疑問が出てくることと思われます。

そのため、WOOD BIOでは、木質バイオマスの熱利用に関係する方々、特にこれから取り組もうとされる方々に必要な情報や交流の場、専門家によるサポート等を提供しています。

実践サポートプラットフォームでは、木質バイオマス熱利用に取り組もうとされる方に向けて、専門家によるサポートを提供しています。サポート申込窓口より申し込むことで、木質バイオマス熱利用に取り組むにあたって生じた課題や問題を専門家に相談し、適切に事業を進めるためのサポートを受けることができます。

情報プラットフォームでは、燃料の概要や燃料供給業者の一覧、木質バイオマス熱利用を行っている施設の一覧(事例)など、木質バイオマス熱利用に取り組むために必要な知識やデータ類を、交流プラットフォームでは現地見学会や勉強会など、木質バイオマス熱利用に取り組む仲間と出会い、意見交換できる場を提供しております。

皆様の取組にWOOD BIOをお役立てください。

参考資料のご案内

地域で実現!木質バイオマス燃料の安定供給

木質バイオマス燃料の供給量を地域で拡大するためのガイドブックです。
主な読者として素材生産事業者、チップ加工事業者、発電 / 熱利用事業者を想定しています。

地域で広げる木質バイオマスエネルギー

木質バイオマスの熱利用を地域で広げるためのガイドブックです。
川上、川中、川下、自治体担当者、木質バイオマスが初めての方など、木質バイオマスエネルギー利用に関わる多様な関係者向けの内容になっています。

災害被災木等を有効活用するために 再生利用の手引き

災害被災木等を利活用するための課題と解決策のヒントについてまとめたガイドブックです。

旧薪炭林の燃料等への活用

放置された旧薪炭林の資源を有効に活用するため、採算性が期待される広葉樹材生産システムを提案するとともに、生産のポイント等を整理したガイドブックです。